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2020/03/09

小さな漁港の居場所(北川地区ふれあいいきいきサロン)<東伊豆町>

 東伊豆町は、静岡県の伊豆半島東海岸の中央に位置し、天城の山並みを背に伊豆大島をはじめとした伊豆七島を望み、豊かな自然に恵まれた人口12,038人(令和2年1月31日現在)高齢化率45.6%の小さな温泉まちで海沿いにある6つの温泉郷(大川温泉・北川温泉・熱川温泉・片瀬温泉・白田温泉・稲取温泉)がある。伊豆半島には海抜ゼロメートルの波打ち際の露天風呂がいくつかある。その中でも北川(ほっかわ)温泉(216人)の黒根岩風呂は有名である。
 「小地域福祉活動」と位置づけられている「ふれあいいきいきサロン」(各地区ボランティア)が、社協各支部、民生委員・児童委員、ボランティア連絡協議会や元保健委員等と連携し、7地区(大川、北川、奈良本、片瀬、白田浜、湯ヶ岡、稲取)の公民館やいきいきセンターで行われている。

小さな漁港がある北川温泉小さな漁港がある北川温泉北川地区防災センター北川地区防災センター


 北川地区ふれあいいきいきサロンは北川在住(70歳以上)を対象に地区のボランティア17名が中心となって北川地区防災センターで月1回活動している。このサロンは地域の中で友達づくり仲間づくりを進めることを目的に、野崎秀子代表が中心となってスタッフ兼会員と一緒に会員制でなく自由に参加できる運営を5年間している。
 今年度のサロン活動は、文化関係(音楽レク、食育弁当作り、豆まき)、運動関係(笑いヨガ、健康体操、体力測定とその結果報告)、地域コミュニティ関係(望洋公園の花見、望洋公園の散歩、クリスマス会)がある。


健康状態チェックをする保健師さん健康状態チェックをする保健師さん


 令和2年2月18日(火)(13:30-15:30) に参加者18名、スタッフ14名で北川地区ふれあいいきいきサロンが行なわれた。
 町役場の保健師さんが活動前に血圧測定して全員の健康状態をチェックした後、木下文子先生による「音楽のレクリエーション」、スタッフと社協職員による「豆まき」、そして、最後に楽しい「おしゃべり(おやつ)タイム」が行われた。
 当時の民生委員2名(鳥澤さん、斎藤さん)が5年前に隣地区の大川サロンを見学して北川サロンを立ち上げた。その後、野崎代表と加藤副代表がこのサロンをずっと運営にあたっている。
 「最初はね!お年寄りは畑に行くのが忙しくて来てくれなかったが、今はね!畑に行くより楽しいと来てくれるようになった」と加藤副代表が話した。
 この地域はかなり急勾配の傾斜地と小さな漁港からなっているので平たんな道が殆どない。ここに住んでいる人は毎日必ず坂道を利用するので足腰が強く健康な人が多いそうだ。


音楽のレクリエーション

音楽に合わせて体を動かす体操音楽に合わせて体を動かす体操楽器を一緒に演奏する仲良しの友達楽器を一緒に演奏する仲良しの友達


音楽の効果を活用した健康維持・介護予防・認知症予防
 音楽は人を元気にし笑顔にする不思議な力があり、歌はコミュニティーを生み、人を共鳴させる。歌や音楽を使ったレクリエーションはリズムを感じながら体を動かせば身体的な機能維持にも繋がる。仲間と楽しい音楽に触れることで、生活の質が向上する効果がある。また、心肺機能を維持するためにも効果的。昔、流行した歌を思い出して言葉にすることで脳を活性化する「回想法」のエッセンスも入っているので、認知症予防の効果が期待できる。

皆さんお元気ですか?
 『皆さんお元気ですか?』『・・・』『本当に元気かなあ!もう1度、聞いてみようかな。 皆さんお元気ですか?』元気よく大きな声で『は〜い』『そうじゃなくちゃ』 こんな会話から歌の発声練習が始まった。
 東京音頭のメロディーに合わせて『元気出せ!元気出せ!元気出せ! ハア〜踊り踊るならチョイト東京音頭ヨイヨイ・・・元気出せ!元気出せ!元気出せ!』と大きな声を出して歌った。続いて、「春よ来い」などの童謡を同年代同士で呼吸を合わせて大きな声を出して合唱。これでお互いにコミュケーションが生まれ、孤独感がやわらいでいく。

楽器を演奏しながら歌う
 『休んで叩く、・・・』と楽器(鈴、タンバリン等)の操作を説明して「上を向いて歩こう」を演奏しながら歌った。リズムには「頭打ち」と「後打ち」があり、民謡は頭打ちの手拍子で馴染みがあるが、この歌は後打ちなので、途中から頭打ちになった人が多かった。後打ちは軽快感があり、リズムに躍動感を与える。
 身体機能の向上はもちろん、曲をよく聴いて合わせることで、集中力も養われる。また、楽器の演奏は人間の感覚を刺激し、脳を鍛える。仲間と呼吸を合わせて楽器を演奏することで、高揚感や一体感を得られる。

音楽に合わせて体を動かす体操
 誰もが知っている童謡を歌いながら、リズムに合わせる体操は、歌って楽しいだけでなく、頭と体を同時に使うので、脳トレ効果も見込めるレクリエーションである。
 音楽に合わせて体を動かすことで、基本的日常生活動作(ADL)の向上を目指すことができる。基本的日常生活動作(ADL)とは、日常生活で必要な最低限の行動(移動や食事、更衣、排泄、入浴、整容など)のこと。
 大きな声を出して歌うことは、口腔機能や肺機能を高めるうえで有効。また、腹式呼吸をしながら、姿勢を正して声を出すことで、抑うつ感を発散することにもつながる。

大盛り上がりの豆まき

新聞紙で作られた大きな豆新聞紙で作られた大きな豆撃沈した赤鬼・青鬼撃沈した赤鬼・青鬼


 皆さんが楽しみにしていた恒例行事の豆まきだ。新聞紙で作られた大きな豆が一人3個配られた。赤鬼と青鬼が登場すると、歓声を上げながら鬼をめがけて一斉に豆を投げた。日頃のストレス解消なのか、とても楽しそうだった。

おしゃべり(おやつ)タイム

豆大福とスナック菓子豆大福とスナック菓子


 豆まきで運動した後、楽しみのおしゃべり(おやつ)タイム。今回は節分にちなんで豆大福を用意したとか。
 この地区はかなり急勾配の傾斜地のため普段友達と会って話をすることが少ないそうだ。そこで、このサロンで「ゆっくりとおしゃべりできることがとても楽しい」と皆さんがおしゃっていた。
 仲良く話している三人組のお姉さまにお邪魔して聞くと「三人、河津の出身なの」と答えた。約200人という小さな北川地区では他の土地から嫁いで来ている人が多い。河津というのは河津桜で有名な隣町の河津町のことで、河津町から嫁いだ人が多いそうだ。やはり、同じ郷里の人とおしゃべりすると楽しいのかな。

ーーー 対応していただいたスタッフの皆様、お世話になりました&ご馳走さまでした ーーー

<取材後記>
 この町では地元の指導員(4〜5名)がそれぞれの指導員資格を取得して各サロンで音楽レク、ストレッチ、健康体操などの介護予防事業を行っている。
 今回紹介した木下文子さんはこの町で音楽レクリエーション活動を10年間されている。また、ふじのくに型福祉サービスガイドブックで紹介されている「ニューサマーオレンジ(認知症にやさしい町づくり連絡会)」のメンバーで大活躍されている。そして、傾聴ボランティアでも活躍されている。
 「つけもの石deカーリング」で紹介した北川雅子さんは各サロンで介護予防に効果があるスクエアステップの普及活動をしている。
 片瀬および奈良本サロンの記事で紹介したEGボールも介護予防に効果があり、本年度から各サロンで普及活動をしている。今回の取材で北川サロンからEGボールをしたいと要望があった。
 地元の指導員達が町民と一緒に和気あいあいと誰もが自由に立ち寄れるサロンで地域活性化に貢献していることに感動した。

取材:生きがい特派員 東・南・西伊豆地区担当 白神時雄



 


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